ワーキングホリデー

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日本は現在、オーストラリアやカナダ、韓国など30カ国と協定があり、いちばんの渡航先はオーストラリアだ。2023年6月までの1年間に発給されたビザは1万4000件近くあり、2024年は3月までの9カ月間で、すでに1万2000件あまりが発注されている。その半分はオーストラリアだという。

ワーキングホリデーは、昭和には「モラトリアム」、平成には「語学学習」、そして令和の現在では「出稼ぎ」と言われている。日本の最低賃金の全国平均が時給1004円なのに対し、オーストラリアは時給約2300円と実に2倍以上。為替レートがこの4年で3割近く円安に振れたことでより差が広がっている。オーストラリアでワーキングホリデーに来ている男性の話では、日本ではアルバイトで月に20日間働き、手取りは約15万円。オーストラリアでは月に約20日、1日8時間ほど働いて、日本円で(手取り)40万円ぐらいだと言う。

一方、ワーキングホリデー(ワーホリ)ビザでオーストラリアに渡った人の、職探しが難航するケースが相次いでいる。一時はワーホリが「1年でこれだけ稼いだ」などと自慢する投稿がソーシャル・メディアで拡散され、注目を集めた。だが、今はいくら履歴書を送っても仕事が見つからず、資金が尽きて日本に帰ってしまうワーホリも少なくないという。

 ワーホリ・ビザの延長が可能になるため人気が高い果物の収穫などの仕事にも、異変が起きている。業界に詳しい専門家によると、国境再開直後は日本人ワーホリの需要も高かったが、現在では他国のワーホリや南太平洋諸国の出稼ぎ者が増え、労働需給のバランスが緩んでいる。専門家は「農場では、どうしても体格が大きく、体力があり、英語も話せる外国人が有利。日本人が仕事をなかなか得ることができないケースも増えている」と話している。

オーストラリアでのワーキングホリデーは、多くの学びと経験を得るチャンスがあるが、事前にしっかりと計画し、準備を整えることが重要だ。

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